SoftRoid(ソフトロイド、東京都千代田区)はこのほど、静岡県・山梨県を中心に注文住宅を手掛けるリビングディー(静岡県富士市)の全ての工事現場にIoTデバイスを設置し、AI施工管理サービス「zenshot」の全社導入を開始したと発表した。
「zenshot」は、カメラを持って建築現場を歩くだけで、画像処理AIが360度現場ビューを自動作成するサービス。現場に機材を設置し、360度カメラを持って現場全体を歩くだけで、天井から壁、床まで現場全体を確認できる360度現場ビューを作成できる。備え付けのスマホから音声案内・説明動画が流れるため、事前準備、説明なしで誰でも撮影可能。データは機材から自動でクラウドにアップロードされる。現場監督が現地にいない時でも、手軽に現場全体の状況を記録でき、隠蔽部(断熱材・下地)も含め、全工程をもれなく記録するため、前後の状態を簡単に比較・確認できようになる。
今回、現場を可視化し、遠隔から施工状況を確認できるようにしたことで、リビングディーでは現場監督の移動時間を最大60%削減できたとする。確認回数の増加と網羅的記録で、手戻りの削減と品質向上、設計変更への対応力が向上したという。
高性能・高品質な住宅を提供するには、現地での施工確認が欠かせないが、一般的に現場監督は複数現場を管理しているため、日々の現場巡回の移動時間が大きな業務負荷となっている。リビングディーにおいても、現場を巡回して事務作業を行う施工管理社員の負担が大きい状況にあった。同社では品質向上と業務効率化を両立し、将来にわたって顧客の要望に対応できる本質的な品質管理方法を模索していたが、今回その課題解決のツールとして「zenshot」を検討。試験導入を経て、全現場に導入を実施した。
リビングディー代表取締役社長の後藤昇さんは、「工事中の記録を残すことで、高性能住宅の品質向上だけでなく、工事の透明性や一貫したアフターメンテナンスを提供できる安心感など、オーナー顧客へのサポート強化にもつながる」とコメント。記録自体が事業の骨になるとし、必要なツールになると確信している。
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