相鉄グループの相鉄不動産(神奈川県横浜市)はこのほど、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前に、店舗と木造賃貸マンションで構成される5階建ての「(仮称)相鉄・小菅ゆめが丘共同ビル計画」(横浜市泉区)を着工したと発表した。1階に複数の診療所を開業予定で、木造医院建築の実績を持つ三井ホーム(東京都新宿区)が設計・施工を行う。2024年6月に入居開始予定。
1階は鉄筋コンクリート(RC)造、2~5階は木造とすることで、建設時のCO2排出量を大幅に削減し、建物に長期間炭素を固定化。構造材の一部に国産材を使用し、脱炭素社会の実現と森林の持続的なサイクルの構築に寄与するとしている。高断熱仕様で20%以上の一次エネルギー消費量削減を実現し、BELS認証の「ZEH-M Oriented」を取得予定。同計画は、国土交通省が木造建造物の振興施策として進める「優良木造建築物等整備推進事業」の採択事業(令和4年度第II期募集)にも採択されている。
相鉄グループが、「泉ゆめが丘地区土地区画整理事業」区域内において住宅供給および木造マンションを建築するのは今回が初。また三井ホームにとっては、同社木造マンションブランド「MOCXION(モクシオン)」の最大規模の物件となる。
同計画では、三井ホームが推進する木造枠組壁工法を、2~5階の居住空間で採用。1K~3LDKの11タイプのプランを、各階同一にし壁位置を合わせることで、構造的な負担を軽減した。また、「MOCXION」で開発した高強度耐力壁「MOCXwall(モクスウォール)」によって、耐震性の確保と耐力壁のスリム化を実現。「高性能遮音床システム Mute(ミュート)」で、RC造と同等クラスの遮音性能を確保している。最上階の屋根には、戸建て住宅で標準的に使用されている屋根断熱構造材「DSP(ダブル・シールド・パネル)」を使用し、利用者に快適な居住空間を提供する。三井ホームの戸建て住宅の技術を中層大規模建築物に応用することで、構造壁の厚さや遮音性の確保などの課題を解決し、設計の自由度を高め、付加価値の高い住宅を実現するとしている。
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