リノベーションに取り組む際、今後ますます工務店に求められていく力がリノベに適した、つまり「リノベしやすい家」を見抜く力だ。中古購入+リノベのワンストップサービス、買取再販といったビジネスモデルでは工務店が物件選定に関わる機会が増える。建て替えかリノベか、迷う生活者を導くのも工務店の役目だ。「リノベしづらい家」はコストもかかるし工務店の負担も増す。顧客にとっても工務店にとっても利がある「リノベしやすい家」は、どこを見て選ぶべきか、現場の声を集めてみた。
見るべきは構造や劣化なのか?
改修後の水準やバランスを考えることも大事
性能向上や、間取りの変更を伴う大規模なリノベーションは、構造を残してほぼ解体するケースがほとんどのため、躯体の劣化状況や性能の低さは気にしない、という声も多い。とはいえ劣化が少なければ費用も抑えられる。劣化事象は感覚的にも判断できるため、中古住宅を探しているような顧客にも伝えたいポイントだ。
工務店のリノベなら、できるだけ改修後の性能を担保したい。構造でいえば、基礎は補強が難しくコストもかかるので、鉄筋の有無などを気にしがちだが、建物とのバランスも重要。また、在来工法中心の工務店にとってツーバイフォーは手を出しにくいかもしれないが、性能を考えると有望な候補にもなる。
阪神・淡路大震災では、構造を無視した増築が倒壊の原因になった住宅も少なくなかったが、リノベでも増築の履歴は要注意。きちんと改修しようとするほど・・・
この記事は新建ハウジング7月20日号1〜3面(2023年7月20日発行)に掲載しています。
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