矢野経済研究所(東京都中野区)は7月13日、国内住宅リフォーム市場の調査結果を発表した。2022年の市場規模は、前年比5.8%増の7兆2877億円と推計した。新型コロナの感染拡大による行動制限が緩和され、マイナス影響が減少した。また、在宅時間の長時間化で高まったリフォーム需要は継続しており、資材費・人件費の上昇によるリフォーム工事単価の上昇も加わり、前年比増となった。
分野別にみると、「増改築に関わる費用」(10㎡超+10㎡以下増改築工事)が前年比3.6%減、「設備修繕・維持管理費」が同6.6%増、「家具・インテリア等」が同6.4%増となった。
災害への対応や脱炭素社会の実現に向けた良質な住宅ストックの確保を背景に、断熱・耐震・バリアフリーなど住宅の性能向上リフォームへの取り組みが活発化している。住宅リフォームの関連各社では、パッケージ型の新商品開発や断熱性・耐震性などの事前診断など、性能向上に関するリフォーム提案を強化する動きが高まっている。まだこれらの需要は顕在化していないが、国や自治体による補助金や助成金施策の実施や、建材メーカーのPR等により、需要拡大の可能性があるとした。
2023年の市場規模は7.4兆円と予測。新型コロナが5類に移行し、旅行やイベントなど外出を伴う消費機会が増加することで、一時的に高まったリフォーム需要は減少すると考えられる。一方、団塊ジュニア世代の持ち家がリフォーム時期にあることや、不動産価格の上昇を受けて住み替え予定からリフォームにシフトするなど、リフォーム需要増加の動きもみられる。原価高騰や高付加価値リフォームの増加によるリフォーム工事単価の上昇で、今後も市場は堅調に推移する見通し。
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