帝国データバンク(東京都港区)は7月13日、夏の電力使用量の削減に関する企業アンケートの結果を発表した。有効回答企業数は1277社。自社で推奨する夏場の冷房温度を聞いたところ、「26℃」(30.7%)が最も多かった。次いで「27℃」(22.9%)、「25℃」(18.7%)、「28℃」(15.1%)が続いた。9割近くが25~28℃を推奨しており、平均は26.2℃となった。規模別、業界別、地域別でも大きな差異はみられず、概ね平均26℃程度に収まっている。「クールビズ」で適正とされる室温28℃を目安にしつつ、各社で快適な室温となるよう調整していることがわかった。
電力使用量の削減および電気料金値上げへの対応策(検討含む)について聞いたところ、約7割が「こまめな消灯」(67.4%)と回答。「クールビズの実践」(48.0%)、「消費電力の少ない製品・設備の導入」(46.2%)が4割台で並び、「空調などの温度設定の見直し」(39.5%)、「オフィスの照明を落とす」(22.7%)が続いた。
また、16.9%の企業が「休暇取得の推奨」(8.3%)、「稼働・営業時間の短縮」(6.3%)、「在宅勤務の強化」(3.6%)など、働き方を変えるような対応策を実施・検討していた。業務効率の悪化などを理由に、節減対策に「取り組んでいない」企業は3.9%だった。
企業の規模別でみると、「こまめな消灯」に取り組んでいるのは「大企業」が74.5%、「中小企業」が66.4%、「小規模企業」が66.7%となり、規模に関わらず実施しているのがうかがえる。一方「クールビズの実践」では、「大企業」が70.1%なのに対し、「中小企業」は44.7%、「小規模企業」は36.2%と、実施状況に濃淡がみられる結果となった。
そのほか、植物などを利用した緑のカーテンの設置や、消費電力の少ないGHP(ガス・ヒートポンプエアコン)の利用、太陽光発電の導入などの対策を行っている企業も一部でみられた。
エネルギー価格が高騰し、各社各人の対応だけではその負担を吸収できないレベルに近づきつつある。同社は節電努力に加え、安定的なエネルギー供給とインフレ圧力の抑制につながる早急なインフラ整備が必要だとしている。
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