YKK AP(東京都千代田区)は7月11日、海外関係会社である北米テクノロジーズ社(米国ペンシルベニア州)がデジタル分野の研究・開発拠点として「xTech Lab(クロステックラボ)」を開設したと発表した。設備投資額は3.3億円。
開設したのは、大学や企業の研究機関が入居する研究スペース「Mill19」内。重点施策である「スマートファクトリー化」を促進するため、5Gやロボット、AIなどを活用したデジタル化を進める。市場変化に即座に対応でき、持続可能な生産体制の構築をサポートする「バーチャルファクトリー」の構築など、同社グループ企業の変革をデジタルでサポートするとしている。
バーチャルファクトリーについては、2023年度末から実施予定。製造ラインの生産活動環境を仮想空間上に構築し、設備の配置や工程などのシミュレーションによって生産活動を最適化することで、ECM(エンジニアリングチェーン)とSCM(サプライチェーン)の実践を目指す。
同社は、建築現場における施工技能者不足への対策等、業界がかかえる課題をデジタル分野の研究・開発によって解決するため、2019年にカーネギーメロン大学(CMU、ピッツバーグ市)とロボット・IT技術を使用した開口部施工技術等における共同研究を開始。2022年6月にはYKK AP北米テクノロジーズ社を設立し、デジタル分野で先進的な技術と人材を有する米国で、デジタル・グローバル人材の育成を推進している。今回、CMUの研究機関も入居する「Mill19」に拠点を開設することで、共同研究を加速。さらに、さまざまな研究機関とのコラボレーションも視野に入れながら、イノベーションの創出を図る。
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