住友林業(東京都千代田区)とNeXT FOREST(ネクストフォレスト、東京都千代田区)は、AIスタートアップのRecursive(リカーシブ、東京都渋谷区)と協業し、熱帯泥炭地管理の初期AIモデルを構築したと発表した。このAIを活用し、インドネシアなど世界の熱帯泥炭地でCO2排出や森林火災の抑制に取り組む。
熱帯泥炭地は、高温多雨の熱帯地域に広がる地下水位の高い湿地で、枯れた植物が土壌微生物の分解を受けずに有機物のかたまり(泥炭)として堆積した土地。大量の水と炭素を含んでいる。熱帯泥炭地は地下水位が重要で、水位が下がると乾燥し非常に燃えやすく森林火災の原因になる。一方で、地下水位が高くなりすぎると樹木の生育を妨げるため、地下水位は適切に調整し続けなくてはならない。また、伐採や焼畑で無秩序に破壊されると、地中に含まれる有機物が分解し大量の二酸化炭素が大気中に放出される。
今回開発したAIモデルは、住友林業が管理するインドネシアの熱帯泥炭地で10年以上かけて計測を続けてきた地下水位データを教師データとしてAIによる機械学習と物理モデルを複合したオリジナルモデル。地形図と観測地点の地下水位実測値、降水量実績値を用いて対象エリア全体の地下水位を7日後まで予測することができる。AIが予測した数日後の地下水位が火災の危険性がある地下水位に達すると、アラートが出る仕組みとなっている。
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