公共施設や土木工事を主に手がけてきた波多野建設(山口県萩市)は、公共事業の減少などを見据えて2019年、オーガニックハウスに加盟し、住宅事業を本格的に開始した。今年4月には、事業再構築補助金を活用して山口市内にモデルハウスを開設。外部ネットワークの力を活用して自社の持続性を高めていく。
“地方都市の総合建設業”である同社にとって、公共事業の減少は大きな痛手だった。社長の波多野充浩さんは「人員整理をするか、新しい事業を始めるかの二択だったが、現状維持は衰退のリスクをはらんでいる」と考え、新事業の道を選んだ。
住宅は以前から、少数ではあるが人脈で受注していたり、大手ハウスメーカーの代理店だった時期もあった。何より「建築のスタッフにも受け入れやすい」点が、新事業として住宅を選ぶ決め手になった。
オーガニックハウスは、ダイレクトメールが届いたことがきっかけで知った。加盟したのは、住宅事業のノウハウがゼロに近い状態から「全てを自前でまかなうのは大変。外部ネットワークの力を借りられる」ことが、大きな理由だったという。
部署を分けず 全社一丸で取り組む
同社の組織は、施設建築などを手がける建築部、道路や河川等の土木工事を行う土木部に大別される。住宅事業は建築部の担当だ。当初は専門部署の設置も検討したが、あえて既存部署の中に新事業を組み込むことにした。
波多野さんは・・・
この記事は新建ハウジング7月10日号9面(2023年7月10日発行)に掲載しています。
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