全館空調、断熱材、窓、換気・気密の専門企業4社が連携して、中小工務店の高性能化、全館空調導入を支援する「エクセレントハウジングシステム」を初めて導入した住宅が、このほど東京都内で竣工した。設計を手がけたハウジングアーキテクトは、同システムにより初めて全館空調の導入と、HEAT20・G2レベルの外皮性能をクリアすることができたという。
同システムの導入1棟目となるK邸は、木造2階建て・延べ床面積137.12㎡。断熱材に「キューワンボード」(アキレス)、サッシに「APW330」(YKK AP)を採用し、UA値0.46W/㎡K(6地域)を実現した。また気密施工の経験が少ない大工だったにも関わらずC値0.55㎠/㎡まで気密性能も高めた。
換気は第三種(日本住環境「ルフロ400」)。全館空調はシステック環境研究所の「コンフォート24」で、今回は8.5kWのエアコンから、8台のファンで各居室まで風を送り込む。
居室の吹き出し口は、壁の上部と床の両方に設けるのが基本だが、1階の寝室など小さい部屋では、冷房でも対流のみで十分に空調できるとして、床ガラリのみに。ほぼ全ての部屋で室温は25℃前後を維持しており、壁や床の表面温度も25~26℃と、室温と同等の温度になっていた。快適性の指標・PMVもゼロ(“暖かくも涼しくもない”温度)からプラスマイナス2前後で推移していた。
高性能・全館空調を実現し 自社のビジョンを現実に
ハウジングアーキテクト代表の竹内隼人さんは、以前からの知人でもあった施主から希望されたため、初めて全館空調を導入することに。システック環境研究所所長の落合総一郎さんから勧められ、高断熱・高気密化にも挑戦することにしたという・・・
この記事は新建ハウジング7月10日号7面(2023年7月10日発行)に掲載しています。
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