長野県産材を使用した高性能断熱木製サッシなどの開発と海外展開などに取り組んできた和建築設計事務所は、国内の新築住宅市場の縮小を見据え、経済成長が著しいベトナムで「日本国内の木材による、日本型(在来工法)の省エネ性能に優れる木造住宅」の普及を目指す。そのステップとして今年度、国土交通省の補助(住宅建築技術国際展開支援事業)を活用し、ベトナム政府・専門機関の協力も受けながら、同国で市場調査や建築関連の法規制の運用状況などの調査を実施する。
事務所代表の青木和壽さんは「市場のシュリンクに直面する国内の住宅業界にとって有益で、極めて実現可能性の高い具体的なプロジェクトとしてチャレンジする。年度末(来春)には、海外展開に興味のある工務店や住宅業界の各分野の企業に有用な情報を提供していきたい」と意気込む。
2017~2019年度にかけて同社は、農林水産省が行った国内の一次産業の海外進出を後押しする「『知』の集積による産学連携推進事業」の研究開発プラットフォーム運営等委託事業に参画。そのなかで青木さんは「木質外皮研究開発プラットフォーム」のプロデューサーを務め、ベトナム大使館とのつながりができたという。「世界最大の家具メーカーのIKEA(イケア)や国内大手のニトリの家具製造を担うなど“世界の木加工工場”を目指すベトナムが、日本の木材に興味を示してくれた」と青木さんは振り返る。
ベトナムでの展示会に出展
それを経て2021年度には、林野庁の補助(高付加価値木材輸出促進緊急対策事業)採択を受け、ベトナムで日本産ヒノキ材製品のプロモーションを展開。コロナ禍のなか・・・
この記事は新建ハウジング7月10日号5面(2023年7月10日発行)に掲載しています。
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