矢野経済研究所(東京都中野区)は11月19日、2012年8〜10月に実施した窓用の省エネフィルム、窓用遮熱塗料、Low-E複層ガラスといった「環境・省エネ関連窓材市場」に関する調査結果を発表した。
それによると12年の国内市場規模(メーカー出荷数量ベース)を1287万m2(前年比99.5%)と見込む。10年比では152.7%。内訳は、省エネフィルムが28.7%、窓用遮熱塗料が1.4%、Low-E複層ガラスが69.9%。なかでもLow-E複層ガラスは、住宅エコポイント制度の実施にともない新築・リフォームともに採用率が拡大して12年は同118.4%、13年は消費税増税前の駆け込み需要により同116.7%と成長は続くとみる。
また、夏場の暑さ対策だけでなく冬場の寒さ対策にも有効な「低熱貫流フィルム」の製品開発、市場投入が相次いでおり、省エネフィルム全体に占める割合が12年には14.6%にまで伸びるとした。窓用遮熱塗料は低価格かつ、ガラス種を問わずに施工できるという手軽さが評価され、それまでは中小規模のベンチャー企業がシェアを確保してきたが12年には大手塗料メーカーの参入が相次いだ。
住宅開口部の遮熱需要は今後も堅調に推移するとし、13年の市場規模は同115.4%の1485万m2と予測。ただし、遮熱・断熱の使い分けがあいまいであることや、省エネフィルム・窓用遮熱塗料の効果や付加価値を消費者に十分に伝え切れていないなど、今後のメーカーの責任・役割が求められるとした。
調査結果は「2012年版 環境・省エネ関連窓材市場の展望と戦略」にまとめた。
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