対応すべきリスクが年々増加するなか、工務店にも「リスクマネジメント」が不可欠になっている。ここでは巻頭言として、工務店のリスクマネジメントの基本、さらには工務店と住まい手が抱えるリスクについて解説する。
リスクマネジメントの手順
企業が想定すべきリスクは無数にある。まずはそれを把握することがリスクマネジメントの最初のステップだ。企業にとっての代表的なリスクを[下図]の左列に整理した。
自然災害、市場変化、経済、地政学といった外部要因によるリスクは、個社・個人では避けようがないため、自社への影響を予防/低減できるかを考える。自然災害など発生可能性&対策優先順位が高いリスクについてはBCPを策定して備えておく。
製造、製品、経営、労務、法務・評判など内部要因によるリスクは自社で避けることができるため、優先順位を設定し重要なリスクは回避策を考え実施する。優先順位が低くその影響を許容できるリスクについては、注意を払いつつもまずは放置しておく。自社としてチャンスに変えたい危機や変化については、リスクテイクして挑戦する。
気候変動・自然環境劣化
[下図]右列に工務店特有のリスクをピックアップした。この中から優先順位の高いものを選び、「工務店の10大リスク」と題して[p16]からリスク解消法と共に解説している。
この10大リスクでは触れていないが、重要で深刻なリスクの1つが気候危機だ。気候危機はさらに深刻化すると予測されており、長く使用される住宅・建築物は特に気候変動リスク軽減への貢献が求められている。長期的視点で省エネ性能や再エネ設備を提案すべきときだ。
続きは「工務店のための危機突破読本2023」P13〜
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