顧客にとっての家づくりは、一生に一回の機会になる。当然ながら不安が付き物だ。そのため、施工する工務店に対して不安(クレーム)を共有することは、期待の裏返しともいえるだろう。楓工務店(奈良県奈良市)では、顧客からの思いがこもったクレームを、「ラブコール」として受けとめ、再発防止に生かしている。マイナスの要素として捉えられがちなクレームを、プラスの財産にどうやって変えるのか、第1回は、取り組みのアウトラインと効果を取り上げよう。3回に渡ってノウハウを紹介していく。
エラー再発防止のため、 どんな取り組みを行っているのか。
一般的な工務店であればエラーは少しずつ起きるもので、担当者だけで対応することがほとんどだろう。しかし、弊社では未経験の新卒者を積極的に採用しているため、再発を防ぐ仕組みが整っていないと、エラーが雪崩のように起きてしまう。1件ごとに注意して対処しても、次から次へと問題が起きて切りがない。そのために、全社で仕組み化を推進している。会社の文化として取り組むからこそ、エラーが起きる度に強固な再発防止策が成り立っていく。
クレーム・エラー発生時の 実際の業務フローはどうなっているのか。
客からのクレーム、すなわち「ラブコール」が発生した時は、部署全体の共有チャットに報告してもらう。日付と現状、トラブルの原因となった理由について言及してもらい、そこから再発防止を行うと宣言してもらう。具体的には・・・
この記事は新建ハウジング7月10日号4面(2023年7月10日発行)に掲載しています。
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