住まい手のための“何でも屋”として、ご自宅のお困り事を無償で解決します―。SAKAI(大分県大分市)は、迫りくる人口減や住宅着工数の減少に備え、ストック事業に力を注ぐ。同社社員が年間を通じて、県内に約500棟あるOB施主邸を訪問し、御用聞きする。「お家のかかりつけ医」として、その名の通り、住まいに関わるあらゆる相談事を受けながら、建てた後も住まい手と永続的に関係性を深めることで、地域で選ばれる工務店を目指す。本紙は6月下旬、市内にある築6カ月の『O邸』への自宅訪問に同行取材した。
6月26日午後3時―。 大分市内にある『O邸』。
ピンポーン。「お世話になっております。SAKAIの村松将季と申します。ただ今お時間大丈夫でしょうか?建ててから半年が経ちましたね。お困りごとがないかと思い伺いました。“何でも屋”として無償でお手伝いしますので、何かあればお申し付けください!」
村松さんのインターフォン越しの問い掛けに、住まい手である女性のOさんが応対した。玄関先に出てきたところで、同社による「自宅訪問」の趣旨を説明。リフォームやアフターメンテナンスはもとより、住まい手が“日常で手が回らない家事”を含め、あらゆる困り事に無償で応じる取り組みについて述べた。
「夫婦共働きで、なかなか掃除が行き届いていないんです」というOさん。恐縮しながらも掃き出し窓の掃除を依頼した。村松さんは営業車から清掃道具を取り出し、5分間で手際よく磨き上げた。
同社によると、住まい手からの依頼内容は、窓拭き、玄関掃き、ねじの締め直し、雑草抜き、電球交換といった軽微なものが多い。
同社社員が「お家のかかりつけ医」として実施する、住まい手の「自宅訪問」の最大の狙いは“関係構築”にある。具体的に、同社社長の臼井栄仁さんは、3点あると説明する。
1点目は、“攻めのメンテナンス体制”だ。建てた後もOB施主との関係性を構築しながら、トラブルを未然に防ぐ。
通常、アフターは“有事”に依頼がくることが大半だが、臼井さんは「それでは遅い」とぴしゃり。かかりつけ医のように病気になる前に定期的にメンテナンスを施すことが重要だとする。そうした取り組みを重ねていくことで、「トラブルやクレームとは無縁」だという。
住まい手の本音を知る
2点目は・・・
この記事は新建ハウジング7月10日号1面(2023年7月10日発行)に掲載しています。
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