厚生労働省が7月4日に発表した「2022年国民生活基礎調査」(2021年1月~12月)結果によると、2021年の1世帯当たり平均所得金額は545.7万円だった。2020年の調査時と比べて3.3%減少している。その一方で、生活が「苦しい」と答えた人よりも、「普通」「ゆとりがある」と答えた人の割合が高く、収入の二極化が進んでいる可能性も見られる。同調査では、無作為に抽出した3万1283世帯のうち、1万9140世帯から得た回答を集計している。
世帯別の所得金額は「高齢者世帯」が318.3万円、「高齢者世帯以外の世帯」が665万円、「児童のいる世帯」が785万円となった。階級別では「200~300万円未満」が最も多く14.6%。次いで「100~200万円未満」13.0%、「300~400万円未満」12.7%が多かった。平均所得金額を超える世帯の割合は全体の38.4%で、内訳は「500~600万円未満」8.4%、「600~800万円未満」13.5%、「800~1000万円未満」8.5%、「1000~2000万円未満」11.2%、「2000万円以上」1.4%となっている。
年齢別の世帯主の所得平均は、「50~59歳」が742.1万円で最も高く、次いで「40~49歳」728.5万円、「30~39歳」627.2万円の順。最も低いのは「29歳以下」の377.5万円だった。65歳以上は424.8万円。
平均貯蓄は1368万円 子育て世帯で1029万円
「貯蓄がある」と答えたのは82.4%。「1世帯当たり平均貯蓄額」は1368.3万円。このうち「高齢者世帯」は1603.9万円、「高齢者世帯以外の世帯」は1248.4万円、「児童のいる世帯」は1029.2万円、「母子世帯」は422.5万円となっている。年齢別で貯蓄額が最も高かったのは「60~69歳」の1738.8万円。次いで「70歳以上」の1594.7万円。
現在の生活状況については、「普通」と答えた人が最も多く42.1%。2017年以降の調査では最も高かった。一方、「苦しい」(「大変苦しい」20.2%、「やや苦しい」31.0%)の回答は前年調査より1.9ポイント減少。「ゆとりがある」(「ややゆとりがある」5.5%、「大変ゆとりがある」1.1%)と答えた人の割合は1.6ポイント増えている。
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