LIXIL住生活財団(東京都江東区)は、北海道広尾郡大樹町の環境技術研究施設「メムメドウズ」に、大学生が設計した次世代サスティナブル住宅2棟を竣工した。
1棟目の「町まとう家」(設計:早稲田大学/小笠原正樹さん、塚田圭亮さん、三上恵理華さん)は、同財団が主催した大学生向けの建築コンペにおいて最優秀賞を獲得、その副賞として建設された。「震災後の新しい時代にふさわしい新しい家」というテーマに対し、「今あるもので、今あるもの以上の豊かさ」を追求。大樹町の牧草に着目し、夏季は外壁に牧草をまとわせて乾燥させると同時に牧草が遮熱スクリーンの役割を果たし、冬季は内部のケースに乾燥した牧草を密封し、牧草の発酵熱を利用して暖をとる。
2棟目の「BARN HOUSE」(設計:慶応義塾大学/小松克仁さん、篠原正人さん、橋田渉さん)は、4月27日に開催され9カ国・12大学が参加した国際大学建築コンペにおいて最優秀賞を受賞した作品。こちらは馬との共生をテーマに、馬の空間を直接外に出さずにバッファーゾーンとして配置。ヒトの10倍にもなる馬の代謝熱と、糞の堆肥化の過程で出る熱を利用する。
今後、2棟の住宅について効果の検証を続けていくとする。
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