野村総合研究所(東京都千代田区)がこのほど発表した「2040年度の新設住宅着工戸数予測」によると、着工戸数は2022年度の86万戸から徐々に減少。2030年度には74万戸、2040年度には55万戸(2022年度比の36%減)となる見通し。
同時に住宅建設に関わる技能者についても減少が予想されるが、住宅着工戸数が減少するペースよりも早いため、今後ますます担い手不足に拍車がかかると予想。建設現場の生産性を約1.3倍引き上げなければ、需要に追いつかないと指摘している。
2040年度の利用関係別の新設住宅着工戸数は、持家は15万戸(22年度25万戸)、分譲住宅は12万戸(同26万戸)、貸家・給与住宅は28万戸(同35万戸)と、いずれも減少すると予想した。
リフォーム市場(耐久消費財、インテリア費用など含む)は、わずかながらも成長を続け、2025年度に7兆円台後半、2030年度に8兆円台、2040年には8兆円台後半となる見込み。修繕、増築・改築工事など、「狭義のリフォーム市場」の規模はそれよりも約1兆円低くなる予想となった。
住宅建設に関わる技能者数については、高齢化などにより2040年には約51万人にまで減少すると予測した。この数字は2020年の技能者数約82万人の6割程度に相当する。ただし、住宅需要と供給力のバランスが取れていた時代(2010年頃)の「住宅建設技能者1人あたりの新設住宅着工戸数」が年間約0.8戸であったのに対し、2025年以降はその約1.3倍に当たる約1.1戸になると予想されることから、今後深刻な人手不足に陥る可能性がある。
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