信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、T.O.I.工務店(埼玉県川越市)は6月15日、さいたま地裁より破産手続き開始決定を受けていたことがわかった。負債は約1億円だが、さらに膨らむ見込みだという。
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同社は住宅の建築工事を主体に、リフォーム工事も行っていた。アメリカンスタイルの住宅を手がけることで他社との差別化を進め、本店のほかに川越市内にモデルハウスをオープンするなどして業容を拡大。2018年9月期に約1億2200万円であった年売上高は、2020年9月期は約5億2800万円 まで伸ばしていた。
しかし、売り上げの増加にともない外注費も拡大し、資材高騰といった要因も重なり収益性は極めて低く、その後も大幅赤字に陥ることがあり、財務面も債務超過と厳しい状況が続いていた。資金繰りも悪化して取引先に対する支払い遅延を起こすなど対外信用も著しく悪化。事業の継続が困難となり、昨年12月頃には事実上営業を停止していた。
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