富山県高岡市の工務店・プロデュースは、事業再構築補助金を活用するなどして、オフィスや店舗など非住宅事業で実績を伸ばしている。同社社長の新川篤志さんは「結果的に今後、本格化していく住宅の“新築減少時代”への対応策につながっているかもしれないが、それよりもむしろスタッフと一緒に新しいこと、ワクワクすることにチャレンジしたいというモチベーションで取り組んている」と話す。
新川さんは「住宅で培ってきた設計力や施工力、家族の暮らしに対する希望をくみ取って、それを明確化しながら形にしていく工務店ならではの提案力は、非住宅の分野においても有効な武器になる」とする。
新川さんは一例として、同社が昨年から今年の初めにかけて手がけた射水市内の観光ホテル(5階建て・85室)のインテリア・家具工事を挙げる。ホテルオーナーからゼネコンが受注した案件だったが、「ただ、普通のホテルをつくればいいという提案と設計」に、オーナーは「面白くない」と、どうしても納得できなかったという。
そこで地元の知り合いでもある新川さんに「インテリアや家具のコンセプトとデザインを考えてくれないか」と依頼があった。引き受けた新川さんが、地域性をコンセプトの核として、富山県のシンボルの立山連峰や地域の祭礼などをイメージさせる色合いなどをふんだんに盛り込んだインテリア・家具デザインを提案したところ、オーナーが喜び採用となった。それによりプロデュースは、ゼネコンが担当する躯体・設備工事とは別で、インテリア・家具工事を設計・デザイン料も含めて約2億円で受注した。
「もともと地元で・・・
続きは「工務店のための危機突破読本2023」P66〜
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