工務店の王道で、一定のニーズもあった“木の家”が、資材高騰の影響もあり厳しい状況に置かれている。ヤマイチ(群馬県前橋市)は、いち早くその限界を感じ、10年ほど前から自社のリブランディングを進めてきた。設計力向上とブランディングを両輪で進めることで、現在の苦境にも負けないブランド「hiYori(ひより)」を構築した。
代表の市川慎二さんは高校卒業後、大工の道に進んだ。7年間親方の元で働いたのちに独立し、30歳までは手間請けの大工としてがむしゃらに働いた。大手ハウスメーカーから地域工務店まで、多い時で年間40棟を請け負ったこともあるという。
腕が良くて、なにより若くて現場監督も指示しやすかったために重宝されていたが、ふと「歳をとったら敬遠されるのではないか」と不安を覚えた。31歳で自宅を新築したのを機に一念発起し、元請け工務店を目指した。
ただ設計や積算、現場管理の経験がなかったため、まずは3年間だけFCに加盟した。その後、大工らしい家をつくろうと、自然素材の健康住宅にシフト。売上は年1.5億円ほどに達し、一定の成功を収めたものの、7~8年も経つと売上は頭打ちになった。
売上が安定している、とは思わず「工務店の王道に限界を感じ始めた」市川さんは再び一念発起し、自社の設計力を高めて、大工の弱点をつぶすことに。2014年、つてをたどって建築家・伊礼智さんにモデルハウスの設計を依頼。大工としての蓄積をフルに使いながら、図面から伊礼さんのディテールを吸収した。さらに・・・
続きは「工務店のための危機突破読本2023」P56〜
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