三栄建築設計(東京都新宿区)は、東京都公安委員会から暴力団排除条例の勧告を受けたことに伴い、6月26日に開かれた取締役会で、経営体制を刷新するための組織変更を行うことを決定した。取締役会の直下に経営刷新会議を設置し、クリーンな経営体制の構築を目指す。
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同社の発表によると都公安委員会は6月20日、創業者で元社長の小池信三氏が定暴力団住吉会系の暴力団組員に利益を供与したとして勧告を実施。これにより小池学前社長、吉野満前副社長はグループ会社を含む全役職を辞任。後継として千葉理恵前常務が社長に就任している。
新体制では経営刷新会議を設置。技術生産本部をプロジェクト管理本部に変更した。旧技術生産本部の配下にあった各課・室は、新設の商品管理部に移管。さらに住宅営業本部を廃止し、その配下にあった住宅営業事業部を戸建事業本部に移管している。
ほかに、辞任した小池信三・学氏、吉野氏の影響力を経営から完全に排除し、全役職員への接触を遮断することを目的に「遮断モニタリング委員会」を設置。▽遮断対象者から役職員への接触状況▽全役職員の反社会的勢力と関係を有さない旨の誓約書の提出状況▽遮断対象者からの影響力を生じなくさせるための事項―などを定期的にモニタリングすると表明した。
同件をめぐっては、社外取締役を中心とした調査委員会による調査で、①信三氏の了承のもと、暴力団組員の意向により解体工事業者を選定したこと、②支払った工事代金の一部が暴力団組員に渡ったこと、③信三氏が対象工事以外にも解体工事に暴力団組員を関与させようとしていたこと、④組員を関与させるための仕組みについて暴力団組員と話し合っていたこと―などが確認されている。
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