パナソニック 空質空調社(東京都港区)はこのほど、日本向けルームエアコン「エオリア」など住宅システム機器について、国内での研究開発および生産体制を強化すると発表した。同社は、市場に近い立地を生かした「地産地消」のモノづくりを進めており、今回の日本向けルームエアコンなど住宅システム機器についてもその一環として実施。環境テクノロジー革新と継続顧客接点強化、オペレーション改革に取り組み、多様な顧客ニーズや需要動向に迅速に対応するとしている。
今月稼働した草津工場新棟のR&Dエリアでは、ZEHを再現した住環境試験室や自然冷媒の性能評価室など最新設備を導入。省エネや自然冷媒に関する環境技術開発を加速する。また、除菌など空質の研究を行う「IAQ検証センター」(愛知県春日井工場内)と連携し、空調・空質の両機能を搭載したシステム開発を進め、多様な国内ニーズに対応していく。
国内では、ルームエアコンと熱交換気ユニット、空気清浄機などさまざまな機器を組み合わせて、冷暖房や換気、空気を浄化するシステムの普及が見込まれていることから、システム向けクラウド開発を強化。各機器の運転状況の把握などを実現するとともに、空気質センシングによる機器のトータル制御を目指し、顧客に快適で省エネな空間を提案する。
日本向けルームエアコンは、草津工場と中国広州工場で生産されているが、今後は草津工場などに設備投資を実施し、省エネ性が高い高付加価値な高級・中級モデルの生産を広州工場から移管。さらに各シリーズの部品を共通化・モジュール化して点数を約3割減らし、納品までのリードタイム短縮と開発・モノづくり工数の大幅削減を実現する。新設計方式によって、工程の自動化による省人化、DX導入などによる部品・製品在庫のミニマム化と需要変動への柔軟な対応、部品加工工程の稼働率向上を目指す。
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