パテント・リザルト(東京都文京区)は6月23日、ゼネコン業界の特許を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2022」を発表した。2022年に引用された特許数が多かった企業は、1位清水建設(456件)、2位大成建設(365件)、3位竹中工務店(338件)だった。
1位の清水建設の最も引用された特許は、昨年と同様「予め設定した場所とは違う場所で建物検査を行う際の検査支援装置」に関する技術で、高砂熱学工業や沖電気工業などの計4件の審査過程で引用された。このほか「建設作業用ロボット」に関する技術が、積水ハウスなどの計3件の拒絶理由として引用された。同社特許の影響を受けた件数が多い企業は、大成建設(29件)、竹中工務店(26件)、鹿島建設(25件)となっている。
2位大成建設の最も引用された特許は「空間の温度などの環境物理要素の3次元空間分布をリアルタイムで把握できる空調環境モニタリングシステム」に関する技術で、三菱電機の計5件の審査過程において拒絶理由として引用された。このほか「トンネル用段取り筋構造および覆工コンクリート用鉄筋の設置方法」に関する技術が、フジタなどの計4件の拒絶理由として引用された。同社特許による影響を受けた企業は、清水建設(35件)、竹中工務店(25件)、鹿島建設(22件)だった。
3位竹中工務店の最も引用された特許は「駐車場における非常時送電制御システム」に関する技術で、ダイヘンやトヨタ自動車など計4件の審査過程で引用された。同社特許による影響を受けた企業は、清水建設(30件)、大成建設(24件)だった。
同ランキングは、2022年12月までに公開されたすべての特許のうち、2022年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出したもの。これにより直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになるとしている。
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