注文住宅、分譲住宅あわせて年間約60棟を供給するなかやしきは2020年2月、ダルトンの家具や雑貨などを扱うショップ・n-BASEMENT(エヌ・ベースメント)を開設した。今年2月末には、ダルトンホーム北九州として、総合展示場にモデルハウスをオープン。ショップと展示場で見込み客との接点を増やし、アッパー層をダルトンホームに誘導しつつ、従来の自社ブランドへの集客も確保する。
n-BASEMENTは、倉庫をリノベーションして店舗とし、家具や雑貨に加え、協力業者による植栽、グリーン雑貨の販売も行っている。月の来店者は3000~4000人ほど。もともとダルトン店舗の空間が好きだったという社長の中屋敷善太郎さんだが、自社でショップを開いた大きな理由は「顧客との接点の少なさ」に不安を抱いていたからだった。
当初は同地にショップではなく、モデルハウスをつくる計画だったが、モデルハウスだけで新規の検討者層との接点を増やすのは難しい。対して家具・雑貨は「(持ち家の有無に関わらず)何度も来店する可能性がある。また引き渡し後の顧客へのアプローチもできる」利点がある。今後はOB顧客向けイベントの開催も検討していく。
店内にはダルトンホームのブースも設けているが、ショップ自体は住宅事業と全く別建ての事業で、収支も独立採算制だ。ショップから展示場、または展示場からショップというルートで、住宅の受注に発展させる「あくまでシナジー狙い」の事業と位置付ける。展示場はまた「家具、雑貨の使用事例を見せる」場としても機能する。
とはいえ、仮に来店者の0.5%だけが反応したとしても、月に15組の見込み客が獲得できる。誰もが気軽に立ち寄れるショップならではの強さだ。
ダルトンホームから 自社ブランドへの誘導も
同社は、ダルトンホームのネットワーク立ち上げとほぼ同時に加盟した。注文住宅の「A.R.TI.X HOME」、分譲住宅の「CASA BLOCK」と並行して、計3ブランドを展開している。
新たなブランドを自社ラインアップに加えた理由は・・・
この記事は新建ハウジング6月30日号7面(2023年6月30日発行)に掲載しています。
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