大日本印刷(東京都新宿区)は、リアルでの施設建築と並行して高精細なバーチャル空間「メタバース」を構築し、両空間の連動により企業と生活者のコミュニケーションを支援するサービスを6月に開始する。
同社は2021年からリアルとバーチャルの両空間を連動させて新しい顧客体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション事業」を開始し、安全・安心なバーチャル空間を構築するXRロケーションシステム「PARALLEL SITE(パラレルサイト)」を提供してきた。今回はその機能を拡充し、メタバースの企画から構築、運用までをトータルで支援する。
具体的には、BIMデータやCADデータ、3次元座標値・色情報で構成される「点群データ」などの建築・設計データをもとに最短2カ月でメタバースを構築。
メタバースには最大1000人が同時参加することが可能なため、展示会や就職説明会などの大型イベントに利用でき、参加者同士が会話できる音声チャットや画面共有、クイズパネル等の機能も提供する。
また、メタバース参加者の属性や利用回数、コンテンツ視聴状況などのデータを把握・分析して、リアルの施設を利用した企画やマーケティング、イベントと連動することができる。
同社が自社ビルの建築データからメタバースを構築し「メタバース納会」や社内向けイベント「未来づくりミーティング」を開催したところ、約6割の社員が「満足」、約7割の社員が「ポジティブな気持ちになれた」と回答するなど、エンゲージメントやコミュニケーションの向上に一定の成果が見られたとする。
税込の価格目安はメタバースの初期構築費800万円~、運用費50万円~(1日で100人の利用者を想定した場合)。
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