東京商工リサーチ(東京都千代田区)が6月21日に公表した「第28回新型コロナウイルスに関するアンケート」調査によると、新型コロナ感染症の影響を受けた企業のうち、今年5月の売上高が前年以上だった企業の割合は62.1%。売上が減少したのは37.8%だった。このうち売上が半減以上となった建設業の割合は4.18%で、45業種中9位となった。さらにコロナ前よりも減少した企業の割合は、建設業は10.33%で同8位となっている。
その一方で、コロナ前よりも売上高が増えた企業(45業種)の割合は50.8%と半数に達した。規模別では大企業の60.9%、中小企業の49.6%がコロナ禍前以上の売上高となっている。
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このうち「鉄鋼業」が59.37%で、増収した企業の割合が最も高かった。建設業関連では「農・林・漁・鉱業」の50.00%(45業種中4位)、「建築材料、鉱物・金属材料卸売」の47.88%(6位)、「化学工業・石油製品製造業」44.00%(10位)が上位となっている。同リサーチ社は原材料価格の高騰やメーカーの値上げが影響したものと分析している。
現在の経営課題に関する問い(複数回答)では、「資材高騰」(62.9%)の回答が最多に。次いで「人手不足」(58.3%)、「電気料金高騰」(51.7%)が上位となった。他に、「資材不足」「原油価格高騰」「コロナ関連融資の返済」「サプライチェーンの乱れ」などの回答も一定数上がっている。
コロナ禍で政府が実施した企業向け支援策については、「大いに評価する」「ある程度評価する」「評価する」の合計で45.1%となり、約半数が評価した。「全く評価しない」「あまり評価しない」の合計は19.9%。建設業関連では「木材・木製品製造業」(28.57%)で、「評価しない」と答えた企業の割合が高かった(同5位)。
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