リブ・コンサルティング(東京都千代田区)はこのほど、住宅・不動産業界の変化に対応する手法を学ぶ「アンバサダー経営フォーラム2023夏」を開催した。今回のフォーラムでは、特別講演としてアルマ・クリエイション代表の神田昌典氏による「2023年以降の経営・マーケティングトレンド」の解説や、リブ・コンサルティング執行役員の石井祐季氏による「アンバサダー経営の可能性と業界変革の必要性」を示した基調講演が行われた。また、同社の紹介・口コミ創出型クラウドサービス「アンバサダークラウド」を導入した百年住宅(静岡市駿河区)、華建築(滋賀県近江八幡市)、小田原工務店(鳥取県米子市)、サンアイホーム(埼玉県熊谷市)4社による取り組みも発表した。
同社が推進する「アンバサダー経営」とは、企業を応援するファンと共に会社を盛り上げる経営方針を指す。市場縮小や寡占化による競合環境激化の中で成長するための企業のあり方の一例だ。
神田代表の特別講演では、2023年から2030年までの期間に起こると想定されている社会情勢とビジネストレンドについて触れたうえで、将来のマーケティングは従来の広告中心の集客モデルから、「デジタル口コミ」中心の集客モデルに推移すると説明。
神田代表は「ウェブマーケティングが変化した先では、コミュニティ形成に注力する企業が躍進する」と考えを示した。また途中、「2030年時に住宅産業が地域課題を解決するための中核的ビジネスだとすれば、真っ先に何に取り組むか」というテーマを参加者に問いかけたことで、講演は会場参加者同士が意見交換しながら交流を深める時間にもなった。
石井執行役員の基調講演では、アンバサダー経営を通じて“顧客に応援してもらえる会社”を目指すことの重要性を示した。原価高騰から住宅業界の新築市場減、広告費用の増加など業界を取り巻く外部環境が変化している中で、利益率や成約率の観点から紹介・口コミの重要性が見直されているという。
石井執行役員は「アンバサダー中心の地域密着型の経営は顧客変化や市場縮小にも対応できる差別化戦略になる」と示し、「応援される企業になるには、自社の内部を可視化して透明性を高めることが必要。ファンと共に経営することで、企業生産性を向上させる新しい経営スタイル」と説明した。
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