国土交通省はこのほど、建設キャリアアップシステム(CCUS)で能力評価を行うための経歴証明の提出期間などを変更。6月14日付で「建設技能者の能力評価制度に関するガイドライン」を改正した。2024年3月31日までの就業履歴を申請する場合に限り、経歴証明の提出期間を2029年3月31日まで延長する。
CCUSでは建設技能者のレベル判定の際、就業年数・保有資格・マネジメント経験(職長班長としての就業年数)を基に能力評価を行うことを原則しているが、システム上で就業履歴が蓄積できる環境が整うまでの経過措置として、所属事業者などが作成した経歴証明の提出も容認している。これまでその提出期限を2024年3月末までとしていたが、24年3月31日までの就業年数・マネジメント経験を申請する場合に限り、29年3月31日まで提出を認めることとした。
上位資格と下位資格を兼ねる扱いも
さらに上位資格を保有している場合の取り扱いについても変更。上位資格を保有していれば、下位資格を取得していない場合であっても下位資格も保有しているものとみなすこととなった。例えば、レベル4の「1級○○士」を保有している者については、レベル3の「2級○○士」も保有しているものとして扱う。
今回の変更について同省は、登録技能者の処遇改善を図ることが目的だと説明。このほど公表したCCUSレベル別の年収目安に基づき、技能・経験に応じて賃金が上昇する体制を整えたいとしている。これにより若者の建設業への入職を促し、若い世代がキャリアパスの見通しを持てる産業となることを目指す。
同省では2023年度を「CCUS能力評価躍進の年」と定め、どの現場でも技能者が就業履歴を蓄積できる環境整備にも取り組んでいる。カードリーダーがない現場に、建築業振興基金が無償でリーダーを貸し出すほか、市販の安価なカードリーダーやスマートフォン、電話でも就業履歴が蓄積できる仕組みを構築する。
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