帝国データバンクはこのほど、2023年度の設備投資に関する企業の意識調査の結果を公表した。ポストコロナに向けて経済活動が本格化する一方、国内景気の下振れ材料も多いなかで、企業が今後の設備投資をどのように計画しているか明らかにすることが目的。調査は今年で7回目。今回は4月17~30日に、全国2万7663社に実施(建設業1729社、不動産業481社)。回答率40.2%。
調査企業のうち、2023年度に設備投資を実施する予定(計画)が「ある」(すでに実施した・予定している・実施を検討中の合計)と回答した企業は60.5%(前回比1.6 ポイント増)。帝国データバンクは「微増にとどまったものの、コロナ前の2019年(62.3%)の水準に近づきつつある」とした。
このうち、予定している設備投資の内容としては(複数回答)、交換・更新など「設備の代替」が 57.0%、次いで「既存設備の維持・補修」28.5%、「省力化・合理化25.9%、情報化(IT化)関連24.6%、DX23.2%と続いた。情報化(IT化)関連かDXを選択した「デジタル投資」は38.3%(同4.0ポイント増)となった。
また、最も期待する設備投資の効果としては、「売り上げの拡大」(23.2%)が最も高く、「利益の拡大」19.8%、「コスト削減」19.3%、「省人化の達成」12.4%が続いた。規模別にみると、「大企業」では売り上げ・利益の拡大効果を期待する一方、「中小企業」は生産の能率化・コスト削減を優先する傾向があり、規模が小さくなるにつれ、「社員の満足度向上」(12.2%)、「取引先の満足度向上」(4.4%)、「(技術向上などによる)人材育成」(2.1%)の割合が高くなった。
一方、2023年度に設備投資を「予定していな い」企業は31.1%(同1.9ポイント減)だった。理由としては(複数回答)、「先行きが見通せない」が45.5%で最も多く、次いで、「現状で設備は適正水準」(26.9%)、「投資に見合う収益を確保できない」(20.9%)、「借入負担が大きい」(14.3%)、「手持ち現金が少ない」(13.6%)が続いた。「先行きが見通せない」はコロナ禍後で初めて50%を下回った。
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