インフォマート(東京都港区)が建設業従事者を対象に、バックオフィス業務など日々の業務に関する調査を実施したところ、約4割が請求書の受け渡しを紙で行い、6割を超える企業が手作業で請求書を転記していることがわかった。紙文化が根強く残る建設業界の現状が浮き彫りとなった。
各種書類(発注書・契約書・請求書・図面等)の受け渡し方法は、「紙で行っている」と回答した割合が約3割で最多となった。次いで、「Excelやスプレッドシートで行っている」が約2割。特に、請求書に関しては37.8%が「紙で行っている」と回答し、全ての書類の中でトップになった。
各種書類のデータをシステムへ転記する方法について聞いてみると、「Excelやスプレッドシートから転記している」が最多で、次いで「紙から手作業で転記している」、「PDFの情報を見ながら手作業で転記している」が続き、書類の種類に限らず手作業による転記作業が多い実態が明らかとなった。書類別に見ると、手作業による転記作業で最も多いのが請求書で、6割以上にのぼった。
各種業務に対して1日に費やす時間について聞いてみると、かける時間が多い順に「図面や報告書の作成(38.1%)」、「現場と事務所間での書類のやり取りのための移動(31.8%)」、「各種書類データのシステムへの転記(30.7%)」という結果となった。
職種別に見ると、28.6%の営業担当者が「現場と事務所間での書類のやり取りのための移動」に3時間以上費やしていると回答。紙が原因で無駄な移動時間が発生している実態が明らかになった。
調査は、4月18日~19日にかけて、建設業に従事している20代~60代の会社員362名に対しインターネットで実施し、362名から回答を得た。
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