国土交通省は6月15日に開催した「建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会」で、CCUS(建設キャリアアップシステム)レベル別年収を公表した。各技能者の経験や資格が評価された場合に相当するCCUSレベルに応じ、公共工事設計労務単価と同等に必要な費用を反映した上で、年収額(週休2日を確保した労働日数234日)を試算した。レベルは1(5年未満相当)~4(登録基幹技能者相当)までの4段階で、それぞれ年収のばらつきを踏まえ上位・中位・下位の年収額を示した。例えばレベル3・中位の年収は、「全国(全分野)」では628万円、建築大工では634万円となった。
《注目記事》CCUS登録技能者124万人に 事業者は23万者
国交省は「CCUSレベル別年収」の公表によって、「若い世代が、建設業の技能者として入職し、技能・経験を重ねていけるよう」に、▽将来の処遇面でのキャリアパスを示す、▽技能・経験に応じた賃金支払いについて目指すべき具体的なイメージを業界全体で共有する――ことで、官民一体で賃上げや適正価格での受発注の促進を目指すとしている。
調査に当たってレベル評価を行っていない技能者も、経験年数と保有資格を基にレベル1相当:5年未満、レベル2相当:5年以上10年未満、レベル3相当:10年以上または1級技能士、レベル4相当:登録基幹技能者と推定。各レベルの「上位」は上位15%程度、「中位」は平均、「下位」は下位15%程度の全国の年収相当として作成した。
建築大工に関しては、▽レベル1=下位367万円、中位492万円、上位617万円、 ▽レベル2=下位428万円、中位566万円、上位704万円、▽レベル3=下位475万円、中位634万円、上位793万円、▽レベル4=下位542万円、中位694万円、上位847万円――となっている。
《関連記事》
規制逃れの「偽装請負」防げ 一人親方処遇改善に向け説明会
「価格ではなく施工品質で競える環境を」 国交省が提言
建設労働者の平均賃金は回復傾向―全建総連調査
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。