建築家の伊礼智さんが設計した規格型住宅を全国の地域工務店が建てられるi-works(アイ・ワークス)プロジェクト(事務局・東京都杉並区)は5月17日、前川建設(加古川市)が同市内に自社のモデルハウスとして新築した同プロジェクト第5弾となる新タイプ「i-works5.0」の見学会と定例会を開催した。5.0は、スクエア型やコンパクトタイプ、平屋といった1.0~4.0までとは異なり、昔からある東西に長く南面の間口が広い3間×5間の形状で、「郊外に強い工務店に適した住宅」という。全国から会員の工務店、建材メーカーの関係者ら約90人が訪れて視察し、注目の高さをうかがわせた。
同住宅は、前川建設が伊礼さんの基本設計によるCLT建築の店舗・事務所(カフェ・ショップ棟)と伊礼さんが設計した「i-works小屋」とともに同じ敷地内に新築し、“スモールビレッジ”のような形で4月にオープンした。敷地内の造園・植栽は、造園家の荻野寿也さん(荻野景観設計)が手がけた。
木造2階建て・延べ床面積31.68坪の同住宅は、2階にLDKを配置した。外壁は、木ごて仕上げのそとん壁とスギ赤身板(ウッドロングエコ塗装)の腰壁。断熱性能は、HEAT20・G2を上回るUA値0.41W/㎡K(6地域)で、耐震等級3となっている。パッシブエアコン(OMソーラー)で全館空調を行う。
参加者は、現地を訪れていた伊礼さんと言葉を交わし、LDKに置かれたテーブルについたり造作ソファに座るなどして外の風景を眺めながら、じっくりとその空間を味わっていた。
価格は3500万円程度を 想定
同プロジェクト事務局によると、いまのところ5.0の販売価格は、i-worksの中で人気が高く売れ筋の1.0の現状の平均価格の3500万円程度を想定する。今回は2階LDKで割高となっているため、現在、島根県松江市で9月の完成を目指して工務店のモデルハウスとして新築中の1階LDKのスタンダードな案件を通じて価格を精査していく方針だ・・・
この記事は新建ハウジング6月20日号10・11面(2023年6月20日発行)に掲載しています。
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