建て主の親族に左官職がいたために、室内の左官工事を分離発注の形で行うことに。施工管理について、行き違いがあったことで、竣工前に漆喰壁に大きなクラックが発生してしまった。分離発注のリスクについては事前に説明していたのだが、建て主は工務店側の責任として指摘した。
Nさんが営む工務店は西日本の都市圏にある。歴史のある街でもあり、地域には古くからの職人がそれぞれの地元で活躍している。住まい手との関係も何代にもわたるケースがしばしばあり、「うちが工事するときはこの人に声をかけないと」と、建て主が職人を指定してくることも多い。
「そういう地域性もあるので、うちとしても指名された職人さんに分離発注の形で参加してもらうこともよくあります。これまでは大きなトラブルはなかったのですが…」とNさん。
指定の材料や施工法を使わず、自分の流儀で施工
建て主が指定してきたのは、親族だという左官職人。Nさんとの付き合いはなかったが、「建て主からの希望」ということで、室内の漆喰壁をすべて任せることになった。「うちと取り引きのある左官であれば、うちがどのような品質管理を求めているかや、標準にしている塗り壁の仕様や施工法についてもよくわかっている。今回、指定された職人にもひと通り伝えて、理解してもらったと思っていたのだが…」。
しかし・・・
この記事は新建ハウジング6月20日号6面(2023年6月20日発行)に掲載しています。
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