工務店経営とは切っても切り離せない建設業許可。複数の業種の許可を持っている工務店もあれば、建築一式工事(建築工事業)だけの工務店もある。しかし、実はこの「一式」が曲者。一式の許可だけでは請け負えない工事も、実はたくさんある。工務店が注意すべきポイントを紹介する。
建築確認不要・500万円以上の工事は「専門工事」扱いになる?
新築からリフォーム・リノベーションまで幅広く受注している工務店のA社長は、長年「建築一式工事」の許可で営業していた。何ら問題はなかったのだが、昨年度の事業年度終了届を県に提出した際、建設業法違反の可能性があると指導を受けたという。
原因は、事業報告書の中にあった2件のリノベーション工事。いずれも建築確認は不要な規模で、建築一式工事(確認申請が必要な新築・増改築の元請け受注)にも、許可不要の「軽微な工事(建築工事一式以外で請負金額500万円未満か、建築工事一式で1500万円未満または150㎡未満の木造住宅の工事)」にも該当しない「専門工事」と見なされたのだった。
専門工事業の建設業許可がないのに専門工事を請け負った場合は、建設業法第47条に違反する恐れがあり、罰則として3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される。A社長は「“一式”の許可があれば何でもできると思っていたので、超がつくほど意外だった」と話す。
一式で請け負える範囲は 都道府県により異なる
建築確認は不要だが・・・
この記事は新建ハウジング6月20日号1・2面(2023年6月20日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。