日本住宅リフォーム産業協会(ジェルコ、盛静男会長)は6月14日、第15期定時社員総会を開催した。2023年度は「事業者の『成功の未来図』を描ける活動」をスローガンに、2030年に向けたロードマップやガイドラインの提示を目指す。また、健康・省エネ住宅を推進する国民会議との連携による「ひと部屋断熱リフォーム」の開発、事業化にも取り組むことを発表した。
同協会は昨年、2030年までに実現すべきリフォーム事業者像を定めた「ジェルコビジョン2030」の達成に向けて推進室を設置。盛会長は方針発表で、会員らによる議論を通じて「23年度中にジェルコが描く“リフォームの質”を明確に示したい」意向を表明し、その結果をロードマップ、ガイドラインとしてまとめるとした。並行して、2030年を見据えた組織改革を、正副会長らで進めていく。
2023年度はまた、次世代型ビジネスモデルの構築・事業化を事業計画に盛り込んだ。事業者の短期的な利益確保も視野に入れつつ、社会課題の解決につながるもの、小規模事業者が望むものなどの観点で、事業開発委員会を中心に、各委員会と連携して事業化に取り組む。
ひと部屋断熱リフォームは、次世代型ビジネスモデルのひとつ、かつSDGsの目標達成にも通じる活動との位置付けで、住宅内に最低一室、18℃以上の室温を確保できる部屋を設ける事業だ。改修範囲を絞り、さらに国・自治体の補助を利用して生活者の金銭的負担を最低限に抑え、安全な住環境の普及を図る。現在、全国6地区で先行して取り組みを開始している。
盛会長は同事業を、持続可能なリフォームビジネスとしての性能向上リフォーム推進の一環とし「(国民の)健康維持、改善に寄与できる」とその意義を語った。また、基調講演で登壇した健康・省エネ住宅を推進する国民会議の上原裕之理事長も「実践者がいなければ成り立たない取り組みだ」として、会員らに協力を呼び掛けた。
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