LIXIL(東京都品川区)が金沢大学とコマニー(石川県小松市)との共同研究会「トイレのオールジェンダー利用に関する研究会」で実施した「トイレのオールジェンダー利用」に関する意識調査で、利用したいトイレが利用できていないトランスジェンダーがオフィスでは約4割、公共施設では約3割いることがわかった。調査は、20歳~59歳までのシスジェンダー1000名、トランスジェンダー325名を対象に行った。
トランスジェンダーである人に対し、「利用したいトイレ」が利用できているか質問したところ、オフィスでは42.2%、公共施設では29.5%が「利用しているトイレ」と「利用したいトイレ」が不一致であると回答。シスジェンダーと比較すると、オフィスでは37.6 ポイント、公共施設では26.2ポイントも高い結果となった。
公共施設に比べ、オフィスの方が「不一致」の割合が高い主な理由として、顔見知り同士で利用するオフィスの方が公共施設以上に「周囲の目」が気になるという回答が多く挙がった。
シスジェンダーに対し、トランスジェンダーが性自認に沿ってトイレを利用する「抵抗感」について質問したところ、オフィス・公共施設ともに約7割が「抵抗はない」「どちらかといえば抵抗がない」と回答。両施設を比較すると、オフィスでは71.5%、公共施設では66.9%と、オフィスの方が抵抗を感じない人がやや多い結果となった。
オフィスについては、“どちらかといえば”も含めて「抵抗はない」と回答した人の割合は、2017年(65.5%)と2022年(71.5%)を比較すると6ポイント増加した。特に「抵抗はない」と回答した人は11.9ポイント増加しており、この5年間で性自認に沿ったトイレ利用に対する意識に変化が生じているようだ。
研究会では、「トイレ利用は、人間の尊厳にもかかわる人権のひとつである」という認識のもと、「性自認に関わらず、利用しやすいトイレのあり方」を追求し、すべての人々のトイレ利用に関する人権が尊重される社会環境実現の一助となることをめざしている。
調査期間は2022年11月18日~11月29日。対象は20歳~59歳までの有職者1325名(シスジェンダー1000名、トランスジェンダー325名)。
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