信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、スマートロック製品などを開発するスタートアップtsumug.lab(福岡市中央区)が5月24日に、福岡地裁より破産手続き開始決定を受けたことがわかった。負債は「精査中」としている。
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同社は「TiNK」と呼ばれるコネクティッドロック(電子錠)などスマートロック製品の開発を手がけていた。
同製品は住宅玄関のドアに設置することで、スマートフォンでの解錠のほか、玄関遠隔解錠や施錠解錠履歴の閲覧を行うことで、一定時間施錠・解錠がない場合の通知など実現。
住居・店舗侵入への防犯、家事代行管理、玄関の開閉記録など高齢者世帯への見守り等に活用されていた。東京都内に本社を構えていたものの、2017年に福岡市内に登記面本店を移転していた。
帝国データバンクによると、代表牧田恵理氏の前職である起業コンサル会社勤務時代に築いた人脈をフル活用し、スタートアップの経験が豊富な人材を多数登用していたという。VC(ベンチャーキャピタル)をはじめとする投資家筋から 有形無の支援も得たことで、2018年11月期の年売上高約6400万円を計上していた。
しかし、2021年6月に新設分割によって設立したtsumug(福岡市中央区)に同社のサービス提供部門事業に関する権利義務を承継させるとともに、現商号へ変更し、今回の措置となった。
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