私は「人間大事の経営」という流儀の元に経営をしている。すべての行為・行動は、人間を中心としたところから出発をするという意味である。
傲慢に人間を中心に考えるという事ではない。草木も山林も動物も地球環境も、人間が暮らすには必要不可欠であり、人間こそが、謙虚にして驕らず、寄り添うべきであるという考えだ。会社経営とは、“人間経営”と言っても過言ではないくらいに、人間が大事である。
リーダーは「人間を知ること」、そして、日本人の特性を理解しなければいけない。その人間を知るうえで、最も大切な「情と理」について触れていこう。
人間は、基本的に自分を大切にする。指図や変化を嫌い、人の言う事を聞かない動物だ。リーダー層の「スタッフが言う事を聞かない」という愚痴をよく耳にするが、当然のことである。そこを前提に物事を考えておく必要がある。
人間は、無限の可能性を持っており、変化・成長しない人はいない。私は何人も生まれ変わったように成長した人に触れてきた。そこに、キャリアも年齢も性別も関係ない。ベテランでも変わることはできる。そこで大事になって来るのが「情と理」である。
人間のことは 管理なんかできない
愚痴をこぼす人々の多くは、理による管理を行っていることが多い。理屈であり、自分本位で一方的な道を歩ませようとする。そもそも、人間の管理なんてできやしない。むしろ、しない方が良い。
管理すべきは・・・
この記事は新建ハウジング6月10日号10面(2023年6月10日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。