厚生労働省が6月6日公表した「勤労統計調査」(2023年4月分結果速報)によると、建設業の給与額は37万3747円で前年同月と比べて同1.0%減少。このうち残業など所定外給与は2万4225円で同8.0%減少している。所定外労働時間(残業・休日出勤など)の減少によるものと考えられる。所定内給与は33万1428円で同0.1%増加したが、残業削減により減った額を補うほどには至っていない。
このうちパートを除く一般労働者は、給与総額が38万8425円(同1.1%減)、所定外給与は2万5528円(同8.1%減)、特別に支払われた給与は1万8997円(同10.7%減)。パートタイム労働者は、給与総額が12万5475円(同0.8%減)、所定外給与が2180円(同13.1%減)となっている。
全産業の月間給与額の平均は、同1.0%増の28万5176円。このうち一般労働者が36万9468円(同1.1%増)、パート労働者が10万3140円(同1.9%増)で、雇用形態を問わず増加している。
建設業の労働時間0.8%減 労働者数は1.5%増
全産業の月間労働時間の平均は141.0時間で、前年同月と比べて0.3%の減少。建設業は168.1時間で同0.8%減少したが、調査対象の産業の中では2番目に労働時間が長かった。最も長かったのは運輸業・郵便業で173.2時間(同2.0%増)。
建設業の所定外労働時間(残業・休日出勤など)は、13.6時間で同1.5%の減少。出勤日数は20.7日(増減なし)だった。パートを除く一般労働者の総労働時間は、172.8時間で同0.8%減少。所定外労働は14.3時間で同1.4%減少した。
全産業の労働者数は5198万7000人で、前年同月と比べて1.7%増加。このうち建設業は276万9000人で同1.5%増加した。入職率は4.27%で同0.49ポイント増加。離職率は2.88%で0.39ポイント増えた。
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