YKK APが各地のリノベーション事業者と進めている戸建て性能向上リノベーション実証プロジェクトの22事例目「越後長岡 緑遠鏡の家」がこのほど完成した。今回は、大庄と連携し、築58年の中古住宅をリノベーション。既存の魅力を生かす設計のポイントと、今後の事業展開について、同社社長の大竹大さん、設計部の目黒剛志さんに伺った。
越後長岡 緑遠鏡の家」は目黒さんの自宅で、元となる物件も自ら探した。シルエットの美しさや、緑道に面した立地などの魅力を有し、かつ駅に近く災害リスクも低い一方、築古の建物付きで駐車場がなく、不同沈下もあったせいか、格安で入手できたという。
目黒さんは、新築とは違う、リノベーションならではの設計コンセプトとして「既存の魅力を最大化する」ことを意識した。当初は1階で考えていたLDKを、窓からの眺望を意識し2階に。キッチンも、緑道が眺められる北西に配置した。
不同沈下は土台上げで解消し、基礎を増し打ちして補強。耐震フレーム・FrameⅡ(フレームツー)の門型を玄関部に施工し、上部構造評点1.57を達成した。断熱改修ももちろん実施し、無断熱からUA値0.26W/㎡K(5地域)まで外皮性能を引き上げた。
今は持ち家リノベ中心 中古市場は未成熟
同社は1977年、サッシを中心とした建材卸売業を開始。省エネ計算など工務店支援のために設けた設計部の力も生かし、2019年3月から「リノベ専科 住み継ぐ家」の名称で性能向上リノベーションにも取り組んでいる。
これまで・・・
この記事は新建ハウジング6月10日号4面(2023年6月10日発行)に掲載しています。
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