国土交通省が6月6日午前に発表した、台風第2号とそれに伴う大雨による被害状況によると、国および都道府県で管理する河川のうち、27水系40河川で氾濫を伴う浸水被害が発生。102件の土砂災害が生じた。人的被害は死者1人、行方不明者3人、重傷者6人。家屋への被害は全壊8棟、半壊2棟、床上浸水1248棟だった。
5月31日から6月2日にかけて台風第2号が沖縄地方に接近した影響で、本州付近に停滞した梅雨前線に向かって非常に暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発となった。これにより西日本から東日本の太平洋側を中心に大雨に。高知県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県では線状降水帯が発生し、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降った地域もあった。
降り始めからの雨量は東海地方で500ミリを超えたほか、四国地方、近畿地方、関東地方でも400ミリを超えた。平年の6月の降水量の2倍を超えた地点もみられた。
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河川の氾濫は、豊川水系善光寺川(愛知県)、太田川水系敷地川(静岡県)などで発生。土砂災害被害は102件のうち、和歌山県が33件、静岡県が27件を占めた。人的・人家被害も静岡県に集中した。和歌山県の公営住宅では、3団地で床上浸水が生じた。
道路への影響は、高速道路や直轄国道では被災による通行止めはなかったものの、国道16号(東京都町田市相原)で法面が崩落。補助国道では国道473号(愛知県岡崎市)で道路損壊、国道152号(静岡県浜松市)で法面崩落などがあり、12路線16区間で通行止めとなった。都道府県道では愛知県23区間で土砂崩れ・落石・道路損壊、静岡県23区間での土砂崩れ・法面崩壊・路面陥没などがあり、16県99区間で通行止めとなった。
災害対応のため、国交省ではTEC-FORCEなどのべ84人/日を派遣。国土技術政策総合研究所・土木研究所からも砂防・道路構造物の専門職員が派遣された。
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