「apartment BEAVER」は岩手県岩沼市に建つ高性能賃貸住宅。Ua値は0.34でHEAT20のG2。同住宅の設計者であり、同住宅のオーナーでもあるL・P・D主宰の洞口苗子氏と洞口文人氏に高性能賃貸住宅を成立させるための取り組みについて聞いた。
POINT.仙台市と岩沼市のギャップを利用
◉高性能アパートは全国的にも少ない。建設費が嵩むためだ。建物性能がよくても家賃は地域の相場に縛られる。賃貸住宅の家賃は立地と広さ、築年数など少ない因子から自動的に決まる
➡断熱性能や住み心地、光熱費削減などは家賃には反映されない。賃貸住宅経営の視点からは高性能化を図る理由はない
◉一般的なアパートは収益性重視で高性能化以前の状態。性能・仕様とも低質な物件が多い。賃貸住宅の入居者は居住性に対する期待が低く、質の低い住宅でも入居者が得られる
◉この現状をふまえてL・P・Dはどのように計画したのか。まずは立地に着目。同住宅が建つ岩沼市は仙台市の隣で仙台駅から岩沼駅までは電車で20分。朝のラッシュ時などは便数も多い
➡利便性が高いにもかかわらず岩沼市は仙台市と比べると地価も家賃相場もかなり低い。このギャップを利用することにした
POINT.場の魅力を入居検討者に訴求する
◉宮城県民にとって仙台市はステイタスが高く、利便性が悪い地域でも地価や家賃は高い。仙台市の人たちを岩沼市に目を向けさせれば高い家賃を受け入れてられる入居者を獲得できる
◉とはいえ・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー6月号(2023年5月30日発行)シン・住宅ビジネスの手引き 建築企画 超入門Q&A』(P.88〜)でご覧ください。
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