低迷する注文住宅を補完する新商品として、分譲住宅が注目されています。早期にクロージングできる可能性がある反面、高額の融資を受けるリスクもあります。低リスクで成果の出やすい分譲住宅のポイントをケンジと松太郎が解説します。
Q05. 分譲住宅市場はどうなっているのか?
A. 資材高騰後、分譲住宅の需要は堅調。特に価格据え置きのパワービルダーが棟数を伸ばした。コロナ禍で大手パワービルダーが地方へ進出。
供給過剰になり値下げや仕入れ減の動き
ケンジ 資材高騰と収入の伸び悩みで注文住宅市場が縮小。人気工務店も引き合いや受注が減りつつある。そこで分譲住宅(建売住宅)に目を向ける工務店が増えた。可能性はどうだろう。
松太郎 まずは分譲住宅の市場全体を見てみよう。コロナ禍以降、分譲住宅の需要は堅調。国交省の統計やハウスメーカーの業績からもその傾向は明らかだ。
ケンジ 建材・設備仕様の標準化や大量発注に加えて土地の仕入れに注力したことで資材高騰の影響をある程度抑えられたと言われているな。
松太郎 リモートワークの定着も大都市圏の分譲住宅志向を後押ししている。通勤が減り、郊外志向が強まった。マンション価格の高騰もあり、郊外の分譲住宅が選ばれやすくなっている。
ケンジ コロナ禍で飯田グループなどのパワービルダーが業績を伸ばし、地方への進出傾向を強めている。注文住宅とは客層が違うといはいえ、工務店にとっては驚異だろうな
松太郎 パワービルダーの業績を見ると、価格が住宅市場における最重要テーマだと分かる。飯田グループは値上げしたので棟数は伸びず、オープンハウスは価格据え置きで棟数が伸びた。
ケンジ 市場に資材高騰後の価格は受け入れられていないんだね。
松太郎 好調に見えた分譲住宅だが、ここにきて影が差している。報道によると飯田グループの2022年末時点の棚卸し資産が前年末比で4割増えた。在庫回転日数も2016年以降で最も長い。
ケンジ 在庫回転日数って?・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー6月号(2023年5月30日発行)シン・住宅ビジネスの手引き 建築企画 超入門Q&A』(P.45〜)でご覧ください。
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