東京都は6月15日から、地震時の倒壊・崩壊の危険性が高いピロティ階を有するマンションを対象とした「命を守るためのピロティ階等緊急対策事業」を開始する。期間は2024年1月15日までで、予算額に達した時点で受付を終了する。補助率は対象経費の2分の1。上限額は262万5000円。補助対象は旧耐震基準の分譲マンションの管理組合。
対象建物は、地震時の倒壊・崩壊の危険性が高いと判断される、ピロティ階など(地上1・2階のIs値が0.3未満)を有するマンション。補助対象は、①ピロティ階などの補強設計(指定機関による評定手数料を含む)、②ピロティ階などの補強工事(工事監理費用を含む)―となっている。要件として、補強設計ではマンション全体でのIs値が0.3以上となるよう設計すること、補強工事は補強設計の基準を満たした設計を施工することを求める。
地震が発生した際に建物が倒壊・崩壊する危険性を低減するためには、Is値を0.6以上に設定する必要があるが、同事業では都の耐震改修促進計画検討委員会が示した「Is値と建物倒壊率の関係」に基づき、マンション全体でのIs値を0.3以上に設定することを目標とした。
なお、都の「緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進事業」の対象となる場合は、同事業の活用はできない。同補助金以外に都から交付される補助金、および区市町村から交付される補助金との併用についても不可となっている。
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