業界には建材不足や労働者不足などの根強い問題が残っているものの、住宅ローン金利の安定と既存在庫の減少により、米新築住宅販売は好調に推移した。
米国商務省国勢調査局と米住宅都市開発省がこのほど共同発表したデータによると、2023年4月の米新築一戸建て住宅販売件数は68.3万件(季節調整済み)で、3月の65.6万件(下方修正値)から4.1%増加した。2022年4月の61.1万件を11.8%上回った。
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地域別の新築住宅販売件数を見ると、北東部と西部では前月比で減少している一方で、南部における増加が著しい。北東部は2.4万件(-58.6%)、中西部は7.6万件(+11.8%)、南部は44.3万件(+17.8%)、西部は14.0万件(-9.1%)となった(括弧内は前月比)。
地域別の新築住宅販売件数(年初来、季節調整前)を前年同期間比で比較すると、全地域で減少しており、北東部は-19.2%、中西部は-9.8%、南部は-0.7%、西部は-27.5%となった。
新築一戸建て住宅の在庫は43.3万件で、6か月分に近い水準が良いバランスであると見なされる中、7.6か月分と依然高水準となった。前年同月比では0.2%増加した。
このうち、竣工済みで入居可能な住宅在庫は全体の16.2%で、残りは建設中か未着工となっている。新築一戸建て住宅の在庫は十分でも既存住宅の在庫が不足しているため、一戸建て住宅全体としての在庫は逼迫している。
住宅販売価格の中央値は42万800ドル(約5848万円)で、前年同月比で8%下落した。住宅販売価格の平均値は50万1000ドル(約6962万円)だった。
低価格帯の住宅販売件数が増えてきており、販売された住宅のうち20万ドル以上30万ドル未満の住宅が占める割合が前月比で5%、前年同月比で7%増加している。
また、30万ドル以上40万ドル未満の住宅の割合も前月比で3%、前年同月比で7%増加している。逆に、50万ドル以上75万ドル未満の住宅の割合は大幅に減少しており、前月比では10%、前年同月比では9%、それぞれ減少した。
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