住まいの屋根換気壁通気研究会(理事長=神戸睦史・ハウゼコ社長)は5月11日、年次総会および第2回住宅外皮マイスター資格試験合格者交流会を開催した。2022年の第2回試験は、受検者130人中104人が合格(合格率80%)。住宅外皮マイスター資格者は累計248人となった。また、コロナに関する制限の緩和などを受け、活動を活発化させていく計画を明らかにした。
出席した第2回試験の合格者を代表して、ハヤシ工務店(千葉県旭市)社長の林和義さんがあいさつした。同社では林さんと設計部、工務部の社員が試験に挑戦し、社員の約3分の1に相当する8人が合格した。
林さんは自ら受験して「職人こそ受験した方がいい内容」と感じたという。林さんは「設計も現場監督も、勉強はするが、現場での指示などアウトプットに苦労している。むしろ社員大工らに試験を受けさせたい」と、同資格が現場施工の品質向上につながるとの期待を述べた。
日本の小屋裏換気基準実は不十分
交流会では、同研究会理事の石川廣三・東海大学名誉教授が、日本で用いられている小屋裏換気の基準と、アメリカ・カナダの基準の関係について講演した。
日本では、1977年、住宅金融公庫の枠組壁工法住宅工事仕様書の改訂により、初めて小屋裏換気の換気量などが基準として定められた。以降、現在までの45年間で2回しか改正されていないが、アメリカやカナダでは3~5年に一度は基準の見直しが行われている。石川理事は「屋根の構成や部材は大きく変化した。省エネ性能向上に伴い、耐久性もこれまで以上に求められている」として「基準を見直すことが望ましい」とした。
同研究会では今年、外部の団体等と連携して石川理事によるセミナーを全国で開催し、小屋裏換気の重要性を啓蒙していく考えで、共催者を募集する。ハウゼコ三田工場での施工研修会や、設立10周年記念カナダ視察ツアー(2024年2月予定、定員20人)の開催も計画している。また、第3回資格試験は10月18日の予定で、6月1日から受検申込を受付中。
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