信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、飛騨工務店(岐阜県下呂市)は、5月26日に事業を停止し、同日中に岐阜地裁高山支部へ自己破産を申請したことがわかった。負債額は約3億8000万円。
同社は、木造戸建住宅を主力に、社寺仏閣、別荘、公共施設、 企業の事務所など建築を手掛けていた。特に内装材や構造材を製造する工場を有し、自社で部材の一貫生産加工システムを構築していた。1996年8月期の年売上高は約28億9200万円を計上。
しかし、工期が長期間に亘ることで外注費が嵩む傾向にあったほか、自社で特殊技術や資格を有する技術者を抱えることで労務費負担が大きい体質だったため、以前から収益性は低い水準に留まっていた。
また、関連会社に対する貸付金や保証債務が負担となるなど厳しい運営を強いられる中、同業者間の競合激化によって2022年8月期の年売上高は約3億6500万円にまで減少していたほか、材料費高騰によって収益悪化に拍車がかかり、財務内容は債務超過に陥っていた。
取引金融機関から借入金の返済猶予措置を受けながら凌いでいたが、ここに来て資金繰りに行き詰まり、今回の措置となった。
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