家を持つことは、以前から、世界中の人々が持っている人生の目標や夢である。ドイツでも、2018年に世論研究所Civeyが行った調査によれば、84%の被験者が賃貸よりも持ち家(戸建てもしくは集合住宅)に住みたいという願望を持っている。では現状と将来の展望はどうだろうか?夢が叶わない場合のプランBはあるのか―。今回は、ドイツの近年の住宅事情をマクロな視点で紹介していこう。
環境保護や社会的公正に関心が高い若い世代(19〜29歳)も、住まいの願望に関しては古典派だ。住宅金融機関の「Wüstenrot Bausparkasse」が今年実施した調査によると、ほぼ90%のZ世代が、持ち家を建てるか、もしくは購入したいと思っているという。
具体的にどんな持ち家かというと、小さな町や田舎で、庭付き一軒家の希望が多い。高度経済成長期のそれとあまり変わらない。デジタル・インフラ環境が整っているところ、という現代社会に特徴的な条件が加わっているだけである。
経済的に豊かな国で 持ち家率が低い理由
では多くの人々が望んでいる「持ち家」に関するドイツの現状はどうだろうか?2021年のEUの統計によると・・・
この記事は新建ハウジング5月30日号12面(2023年5月30日発行)に掲載しています。
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