福島県二本松市と東京都中央区の2カ所に拠点を置くADXは、木造のホテル・リゾート施設など、森林・木材の有効活用から施設建築、メンテナンス・解体までをワンストップでプロデュースする事業を全国展開し、実績を伸ばす。同社は、3代目となる社長の安齋好太郎さんの「森の価値を高める事業を行う」という信念のもと、それまで住宅をメインに手がけていた工務店(Life style工房)から、2019年に現社名に改めると同時に業態転換。森林の調査から事業計画の策定、「環境配慮型建築」の開発と設計・施工のほか、企業(事業主体)と森林(林産地)の持続的な関係構築までも支援する。
会員制で長野県や山梨県など全国の自然豊かな場所に点在するキャビン(2023年5月時点10拠点61棟)に滞在できるセカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home(サヌ・セカンドホーム)」(運営会社・Sanu)では、独自工法による木造キャビンの開発から設計・施工、メンテナンス・解体までの全てを担う。環境配慮型建築としてSanu社と岩手県・釡石地方森林組合と連携し、同地方の木材を活用しながら、建設地の生態系への負荷が少ない高床式基礎杭工の採用や再エネ(電気)利用などにより環境負荷を最小限に。また、同サービスの運用収益の一部により、東北・釡石地方の森林に植林するプロジェクトを進め、建設で排出する以上のCO2吸収を実現。「キャビンをつくればつくるほど自然環境にプラスになる」仕組みを実践している。
フィロソフィーは『森と生きる』
安齋さんは「我々のフィロソフィーは『森と生きる』」とし、「簡単に言うと、森が豊かになる仕事はやるが、森が豊かにならない仕事はやらないということ」と言い切る。そのうえで、自社が引き受けるプロジェクトでは「木の価値を高めること」と「仕組みをつくること」を必須とする。
まず・・・
この記事は新建ハウジング5月30日号6面(2023年5月30日発行)に掲載しています。
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