信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、建築工事を手掛けるD2C(東京都世田谷区、伊藤友昭社長)が5月9日に東京地裁へ自己破産を申請し、翌10日に破産手続き開始決定を受けていたことがわかった。負債額は債権者約104人に対し、約4億8800万円。
同社は2016年創業。ワンルームマンションやアパートなどの低層階RC造建物の新築工事を主力に、一部解体工事も手掛けていた。デザイン性の高い投資用マンションの建築実績が豊富で、1~3億円程度の中・小口物件を得意とし、2021年9月期の年間売上高は約12億4800万円を計上していた。
2022年9月期は宅地造成工事の大型案件があり、解体工事など他部門の実績は前期より伸長したが、新型コロナの影響により主力とする建築工事部門は全体的に小口の物件にとどまった。受注量も前期を下回り、同期の年間売上高は約7億3300万円に落ち込んだ。借り換えなどでしのいでいたものの、建築資材の高騰もありコストがかさみ、取引先への支払い遅延が多数発生。金融機関からの追加融資が受けられなくなったことから事業継続を断念した。
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